【3月28日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は27日、ロシアにベネズエラからの撤兵を求めるとともに、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権を転覆させるため軍事行動を取る可能性を排除しない姿勢を改めて示した。

 ベネズエラでは、野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長がマドゥロ大統領に代わる暫定大統領への就任を宣言し、米国を含む51か国から承認を得ている。一方、ロシアは依然としてマドゥロ氏をベネズエラ大統領と認めており、同氏を支援するため、23日に兵士100人と大量の軍装備を載せた航空機2機をベネズエラに派遣している。

 トランプ大統領はグアイド氏の妻ファビアナ・ロザレス(Fabiana Rosales)さんをホワイトハウス(White House)に迎えた際、「ロシアは出て行かなければならない」と述べた。

 同大統領はまた、マドゥロ政権による資金調達の阻止を目指す一連の経済制裁を支えるため、米国は軍事行動を取ることを考えているかとの記者らの質問に対し、「あらゆる選択肢を検討している」と答えた。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官はトランプ氏の撤兵の要求を退けた上で、ロシアがバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援するシリア情勢に言及し、米軍がシリアの一部にとどまっている理由を問い返した。

 インタファクス(Interfax)通信によると、同報道官は「彼(トランプ氏)は米国がシリアから撤退すると1か月前に発表した」と指摘。「別の国の命運を決める前に、国際社会への公約を履行するよう助言する」と述べた。(c)AFP