【3月28日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)は27日、スペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)に所属するフランス代表DFリュカ・エルナンデス(Lucas Hernandez)を獲得したと発表した。移籍金は8000万ユーロ(約99億円)で、今夏に加入する。

 W杯ロシア大会(2018 World Cup)の優勝メンバーで23歳のエルナンデスは、7月1日から5年間の契約にサインするとバイエルンは発表している。

 8000万ユーロの移籍金はバイエルン史上最高額で、コランタン・トリソ(Corentin Tolisso)の獲得に費やした額の約2倍となっている。またエルナンデスは史上最高額のDFの一人となり、ドイツのクラブが獲得した中で最も高額な選手の一人となった。

 バイエルンのハサン・サリハミジッチ(Hasan Salihamidzic)スポーティング・ディレクター(SD)は「W杯の優勝メンバーで、世界最高のDFの一人であるリュカ・エルナンデスを獲得することができとても幸せだ」とコメントした。

「リュカはCBや左SBでプレーできる。このチームを強化し、バイエルンにおける偉大なフランス人選手の系譜を継いでくれるだろう」

 しばらく膝に問題を抱えているエルナンデスは、先月9日の試合を最後にアトレティコでプレーしておらず、先日はフランス代表からも招集が見送られた。

 バイエルンによれば、検査で膝に問題が見つかったため、エルナンデスは近日中にも手術を行う予定だという。

 バイエルンのチームドクターを務めるハンス・ヴィルヘルム・ミュラー・ヴォルファールト(Hans-Wilhelm Mueller Wohlfahrt)氏は「われわれが行った検査の結果、リュカ・エルナンデスの右脚には手術が必要となる損傷があることが分かった」と話したものの、来シーズンの開幕までには復帰できるだろうと補足した。

 2007年にアトレティコのユースに加入したエルナンデスは、2014年4月にトップチームデビューを飾ってから110試合に出場。W杯ロシア大会を制したフランスのキープレーヤーだった。

 今夏に大幅なチーム改革を計画しているバイエルンは、エルナンデス獲得前にも戦力補強を行っている。

 今月初め、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)の決勝トーナメント1回戦で敗退したバイエルンのウリ・ヘーネス(Uli Hoeness)会長は、「過去最大の補強計画」を進めていると宣言していた。

 バイエルンは1月にも、VfBシュツットガルト(VfB Stuttgart)に所属するフランス代表DFベンジャミン・パヴァール(Benjamin Pavard)が3500万ユーロ(約43億円)の移籍金で今夏から加わると発表。また、ハンブルガーSV(Hamburger SV)に所属する19歳のFWヤン・フィーテ・アープ(Jann Fiete Arp)も2020年の夏までにバイエルンに加入することが決定している。

 新戦力の加入により、何人かのおなじみの顔ぶれは退団を強いられるかもしれない。アリエン・ロッベン(Arjen Robben)とフランク・リベリ(Franck Ribery)は今夏ついにバイエルンを離れるとみられており、他の大物選手にも退団のうわさがある。

 エルナンデスとパヴァールが加入したことで、先日ドイツ代表から構想外を言い渡されたマッツ・フンメルス(Mats Hummels)とジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)はバイエルンでポジション争いをすることになるだろう。(c)AFP