【3月28日 AFP】米航空機大手ボーイング(Boeing)の737MAX型機が過去数か月に2件の墜落事故を起こし、約350人が死亡した問題で、同社は27日、同型機に搭載する飛行ソフトウエアの修正を発表し、事故の再発防止に全力を尽くすと誓った。

 自社の評判回復に努めるボーイングは、パイロットと報道関係者数百人を集め、エチオピアとインドネシアでの墜落事故の原因と疑われている失速防止システム「MCAS」に対する変更の内容を発表。同社のマイク・シネット(Mike Sinnett)副社長(製品戦略担当)は記者らに「われわれはこのような事故が二度と起きないよう、あらゆることをする」と語った。

 シネット氏によると、修正ソフトのインストールは約1時間で済み、規制当局が修正を認可すればすぐにでも導入できる。修正ソフトは「数か月にわたるテストと数百時間を経て」開発されたという。

 MCASは、機体の失速を示す対気速度の減少を検知すると、機体を降下させて速度を回復するシステムで、前モデルの737NG型機よりも重いエンジンを採用した737MAX型機向けに特別に開発された。同社によると、修正後のMCASは、パイロットが手動操縦に戻そうとしても軌道修正を繰り返す処理はしなくなる。また、2個の「迎角(AOA)センサー」間に不一致が生じた場合には、MCASとの接続が自動的に遮断されるという。

 今月10日に起きたエチオピア航空(Ethiopian Airlines)機墜落事故までは、MCASは一つのセンサーからの情報に反応し、パイロットの手動修正を繰り返し無効にするよう設定されていたため、今回の修正は大幅な変更となる。昨年10月にインドネシアで起きたライオン航空(Lion Air)機墜落事故での初期調査結果では、同機のAOAセンサーの一つが故障し、MCASに誤った情報を送り続けていたことが明らかになっていた。

 ボーイングはまた、左右のAOAセンサーの不一致を知らせる警告機能を無料で搭載するほか、パイロット向け研修の見直しを行うとしている。(c)AFP/Luc OLINGA