【3月27日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、カメルーン英語圏の分離独立闘争で避難を強いられた民間人40万人以上を救済するため1億8400万ドル(約200億円)の支援金の拠出を呼び掛けた。

 UNHCRは「分離独立を主張する勢力と治安部隊は過去13か月間、衝突を繰り返し、国境を越えてナイジェリアに避難する人も含めた大勢の民間人が住む場所を追われた」「人道的状況は悪化しており、今後数か月のうちに避難民はさらに増える恐れがある」と発表。拠出を呼び掛けた金額のうち3540万ドル(約40億円)は「生命を救う緊急措置」のために早急に必要だと訴えた。

 国連(UN)はカメルーン国内だけで43万7000人の避難民がいる上に、3万5000人以上が国境を越えてナイジェリアに入ったと推定している。戦闘が続けばナイジェリアに逃れる人はさらに増えるとみられている。

 カメルーンの北西(Northwest)州と南西(Southwest)州では、英語圏の独立分離を求める勢力が2017年10月に武力闘争を開始。独立系シンクタンクの国際危機グループ(ICG)によると、戦闘や政府による弾圧で、これまでに民間人少なくとも500人と治安要員200人以上が死亡したという。

 カメルーンは第1次世界大戦(World War I)中にフランスと英国によって分割統治されていた。現在でもカメルーン人口2400万人のうち約5分の1は英語を使用している。(c)AFP