【3月27日 AFP】イラン各地で大規模な洪水が発生し、救急当局は25日、これまでに19人が死亡、90人以上が負傷したと明らかにした。洪水で道路が寸断され、地滑りが発生しているところもある。

 乾燥した気候のイランでは昨年まで、長年にわたる干ばつ被害に見舞われていた。今回のような規模の洪水被害は前例がないという。

 救急当局によれば、南部の都市シラーズ(Shiraz)では17人が死亡し94人が負傷。西部ケルマンシャー(Kermanshah)州とロレスタン(Lorestan)州でも1人ずつ死者が出た。

 洪水はイランの正月休みの期間と重なり、救急当局の職員も多くが休暇中だった。シラーズで死亡した人の多くは、市街地に入ろうとしたところを洪水に巻き込まれた行楽客だった。

 イラン国内の31州のうち25州がすでに洪水に見舞われているか、洪水の危機に直面している状態だという。気象当局は27日まで豪雨の可能性があり、西部の一部地域では今後24時間で最大150ミリの降水量が予測されるとしている。

 地元メディアは、数百の村で電気や水の供給が止まり、道路が冠水して住民の多くが孤立していると報じた。

 映像は、国営イラン放送(IRIB)が25日に撮影、提供。(c)AFP/Kay Armin Serjoie