【3月27日 AFP】欧州歴訪でフランスを訪れた中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は26日、パリでフランス、ドイツ、欧州連合(EU)の首脳との4者会談に臨んだ。よりバランスの取れた関係を強く望む仏、独、EU首脳に対し、習主席は中国の欧州進出拡大に対する懸念の払拭(ふっしょく)を試みた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権の政策を発端とする緊張が高まる中、習主席はこの日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相、ジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員会(European Commission)委員長と会談した。

 習主席はEU・中国関係に関する共同記者会見で「立場の相違や競争は当然あるが、前向きな競争だ」と述べ、「われわれは共に前に進んでいる。不信感に導かれて後ろを見てばかりいてはいけない」とした。

 EUと中国は共に、「米国第一」を掲げるトランプ大統領の愛国主義や保護主義的な貿易政策、さらには地球温暖化、貿易、イランの核開発計画をめぐる国際合意への攻撃で、非難される側にいた。

 マクロン大統領は「協力は対立よりも得るものが多い」と言明した。ユンケル委員長とメルケル首相は、貿易・投資分野での「互恵性」という難題を取り上げ、中国側に対し、同国市場と同国の資金による国外プロジェクトで、欧州企業により多くの機会を与えるよう求めた。

 欧州側は、中国がアジアから欧州にかけて進める鉄道・道路インフラへの大規模投資事業「一帯一路(One Belt One Road)」について、EUとの連携の下で実施していくとの確約を得たい考え。

 メルケル首相は共同記者会見で、「新シルクロード構想(New Silk Road)」とも呼ばれるこの取り組みについて、「非常に重要な事業」であり、「われわれ欧州も役割を担いたい」と表明。その上で「それは互恵性に結び付かなければならず、われわれは互恵性を見いだすのに、やや少し苦しんでいる」とした。(c)AFP/Clare BYRNE and Adam PLOWRIGHT