【3月26日 AFP】昨年9月にインドネシアのスラウェシ(Sulawesi)島を襲った壊滅的な地震と津波について、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」は26日、発生から半年が経過してもなお、子ども数千人が仮設避難所で生活していると発表した。当局は復興努力を続けているが、そのペースは「痛ましいほど遅い」との指摘もある。

 国家災害対策庁によると、マグニチュード(M)7.5の地震とそれに続いた津波による死者は4300人を超えた。沿岸都市のパル(Palu)各地は甚大な被害を受けた。

 通常の生活に戻りつつある地域もある中、パルと周辺の一部の地区は廃虚と化し、住民少なくとも17万人が現在も避難生活を送っている。

 セーブ・ザ・チルドレンのトム・ハウエルズ(Tom Howells)氏は、「震災から半年が経過したが、われわれは非常に懸念している。推定6000人の子どもが今なおテントなどで仮住まいをしており、損壊した家屋で暮らしている子どもはさらに数千人いる」と述べた。

 震源地近くに位置するドンガラ(Donggala)の自宅が津波で倒壊したというサルサさん(10)は、被災以来ずっと地面に直接張ったテントで両親と暮らしている。「この照明は電池式なんです」とランプを指さしたサルサさんは、「たくさんのネズミがいる中で眠ることもよくある」と語った。

 赤十字社(Red Cross)によると、復興のペースは「痛ましいほど遅い」としており、困難を伴うことが多いという。

 赤十字社のインドネシア代表は、「海岸線や都市、地域社会の大部分が地球にのみ込まれてしまった時、これらをどう立て直せばいいのか」と述べた。(c)AFP