【3月26日 AFP】シリアのクルド当局は25日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の「カリフ制国家」の壊滅宣言を受け、IS戦闘員を国際法や国際的な人権規約に従って公正に裁く特別国際法廷をシリア北東部に設置するよう、国際社会に呼び掛けた。

 米軍が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は23日、イラク国境に近い同国東部の村バグズ(Baghouz)でISに勝利し、「カリフ制国家」の壊滅を宣言した。

 SDFは、IS戦闘員とその親族の外国人約9000人を拘束している。そのうち約6500人は子供だという。

 一方、米政府のジェームズ・ジェフリー(James Jeffrey)シリア特別代表は25日、米首都ワシントンで記者団に対し、米政府は特別国際法廷の設置を考えていないと明らかにし、戦闘員は出身国に送還すべきだとの考えを示した。

 しかし、フランスや英国のように自国で育った過激派が起こした襲撃事件を経験し、戦闘員の帰国に消極的な国々にとって、IS戦闘員の本国送還はセンシティブな問題となっている。(c)AFP/Gihad Darwish