【3月26日 AFP】イングランド・プレミアリーグのカーディフ・シティ(Cardiff City)が、フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)に支払う予定だったエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手(28)の移籍金1500万ポンド(約21億円)について、同選手が飛行機事故で死亡した後に「無効」になったと国際サッカー連盟(FIFA)に報告する意向であることが分かった。英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)が、25日に報じた。

 アルゼンチン出身のストライカーだったサラ選手は、ナントからの移籍が完了した2日後の今年1月21日、乗っていた小型機がイギリス海峡(English Channel)で墜落して亡くなった。

 報道によると、サラ選手はサインした契約書がカーディフに退けられ、修正されたものに署名する前に亡くなっており、同選手が新しい契約に合意していたかどうかが論点になっているとされている。

 同紙はさらにカーディフ関係者の話として、契約書にはサラ選手が「カーディフの選手として登録され、国際移籍証明書(ITC)が発行されている」ことが、両クラブの所属リーグによって確認される必要があると明記されていたと伝えた。

 関係者はこの条件について、サラ選手が亡くなる前に満たされていなかったと主張しており、同紙に対して、「カーディフとナントの移籍合意書には、いくつかの条件があった」「その一部が満たされていなければ、契約は無効になり支払い義務も生じない。その条項はナントが提示したものだ。彼らは厳格な届け出要件を求めてきた」と話した。

 一方のナントは、必要な書類は完全に準備されていたと主張し、カーディフとの問題に関して争う姿勢であると伝えられている。ナントは先月、サラ選手の移籍問題をめぐりFIFAへ申し立てを行ったことを明らかにしていた。(c)AFP