【3月26日 AFP】イスラエル軍は25日、テルアビブ近郊の民家に対する異例のロケット弾攻撃への報復として、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)各地への空爆を実施した。治安筋とイスラエル軍によると、同地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の最高指導者イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)氏の事務所が破壊された。

 ガザ地区の治安筋は、ガザ市(Gaza City)西部でハニヤ氏の事務所を標的とした空爆が行われたと説明。目撃者の話によると、事務所は破壊された。イスラエル軍も、事務所への攻撃を認めた。現地のAFP記者によると、ガザ地区からは空爆後、イスラエルに向け10発前後のロケット弾が発射された。

 空爆のきっかけとなったテルアビブ近郊への攻撃では、ガザ地区から発射されたロケット弾が住宅に直撃し、7人が負傷。訪米中のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はホワイトハウス(White House)で、「イスラエルはこの理不尽な攻撃に対し、力強く対処する」と宣言。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も、イスラエルには「自衛権」があると述べていた。

 イスラエル軍は、ロケット弾はハマスがラファ(Rafah)から発射したものだったと主張しているが、匿名を条件にAFPの取材に応じたハマス当局者はロケット弾発射を否定し、「悪天候」が原因だった可能性を示唆した。

 ハマスはイスラエルによる空爆後、エジプトの仲介により双方が停戦で合意したと発表したが、イスラエル側はこの発表に対するコメントを出していない。(c)AFP