イングランド選手に人種差別行為か、大勝に水差す 欧州選手権予選
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【3月26日 AFP】サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選は25日、各地で行われ、グループAではイングランドが敵地でモンテネグロに5-1で大勝した。最高の連勝スタートを切ったイングランドだが、この日の試合では相手サポーターによる人種差別行為の疑いがあり、見事な勝利は水を差されてしまった。
イングランドの5点目を決めたラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)は、モンテネグロのファンに向けて両手で耳を覆うセレブレーションを見せた。スターリングはツイッター(Twitter)にこの時の写真を添え、「ヘイターを黙らせる最高のやり方(もちろん人種差別主義者たちのことだ)」と投稿した。
イングランドのギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督もまた、DFダニー・ローズ(Danny Rose)に対する人種差別的なチャントを耳にしたと話し、この件を欧州サッカー連盟(UEFA)に報告すると約束している。
「試合終盤、ローズがイエローカードをもらった時に、彼に対する暴言を確かに聞いた。間違いなくあったと確信している。絶対に許されない行為だし、必ずUEFAに報告する」「われわれは選手たちを支援しなければならない」
W杯ロシア大会(2018 World Cup)で4強入りしたイングランドは早々に失点するも、その後は来年行われる本大会の優勝候補の一角に挙げられている理由を証明した。
マイケル・キーン(Michael Keane)のヘディングで同点にしたイングランドは、ロス・バークリー(Ross Barkley)が前後半にそれぞれ得点を挙げて主導権を握ると、ハリー・ケイン(Harry Kane)とスターリングにも追加点が生まれて完勝を収めた。
この一戦では、まだイングランド・プレミアリーグでも先発経験がないチェルシー(Chelsea)の18歳カラム・ハドソン・オドイ(Callum Hudson-Odoi)が、代表で初のフル出場を果たして素晴らしいプレーを披露するなど、サウスゲイト監督の若手選手への信頼が結果に結びついた。また、20歳のデクラン・ライス(Declan Rice)も代表初先発を飾った。
サウスゲイト監督はハドソン・オドイについて「信じられないようなパフォーマンスだった」と評し、「若手選手に関しては、いつだって本人たち次第。才能があるのは明らかだし、ここまで素晴らしいハードワークを見せている。これを続けなければならない」と続けた。
同組の他の試合では、今回が大会初出場のコソボが、ブルガリアとの初戦を1-1で引き分けている。(c)AFP