【3月25日 AFP】フランスを公式訪問している中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は24日、フランス南部でエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と夕食を共にした。

 翌25日の公式会談では、原子力発電、航空宇宙技術、クリーンエネルギーの分野で、巨額契約を含む各種協定が結ばれる見通し。一方でマクロン大統領は、欧州各国が結束して中国の進出に対処していく態勢づくりを目指す中、習氏との会談に臨むこととなる。

 マクロン大統領との面会に先立ち、習氏は近隣の都市国家モナコを訪問し、アルベール2世公(Prince Albert II)と会談。政府報道官によれば、会談では「経済と環境に関する問題」が提起された。

 中国の世界での存在感を確固たるものとすることを優先事項の一つとしている習氏は、今回の欧州歴訪でイタリアも訪問。同国は先進7か国(G7)で初めて、中国が推進する大経済圏構想「一帯一路(One Belt One Road)」、別名「新シルクロード構想(New Silk Road)」への協力に同意した。

 米国と欧州連合(EU)加盟国の一部は、同構想が中国に多大な影響力を与えることになると懸念しているが、習氏は投資と貿易は双方向で行われると述べている。

 ドイツは、イタリアの一帯一路参加を非難。ハイコ・マース(Heiko Maas)独外相は独紙ウェルト日曜版(Welt am Sonntag)に対し、「中国やロシア、それにわれわれの同盟国である米国のような大国が存在する世界で、われわれはEUとして団結しなければ生き残れない」と主張。「一部の国々が中国と賢いビジネスをすることができると信じていたとしても、いずれ自分たちが中国に依存していることに気付いて驚くことになる」と語った。(c)AFP/Julie Pacorel, Vincent-Xavier MORVAN