【3月24日 AFP】今月中旬にアフリカ南部を直撃し、広範囲にわたって洪水をもたらした強力なサイクロン「アイダイ(Idai)」による死者が、23日までに700人に近づいた。生存者の間でも、衛生状態の悪化から感染症の流行が懸念されている。
 
 アイダイはハリケーン級の暴風雨を伴って15日にモザンビーク中部沿岸に上陸。同国内陸部とジンバブエ東部に洪水と多大な被害をもたらした。モザンビーク政府は、同国の死者を少なくとも417人と発表。隣国ジンバブエと合わせた死者数は676人となった。

 モザンビークとジンバブエでは、合わせて200万人以上が被災したほか、現在も数百人が安否不明となっている。また、モザンビークの隣国マラウイでも洪水で60人が死亡、100万人近くが避難を余儀なくされた。

 洪水に見舞われた地域では衛生状態が悪化しており、アイダイが過ぎ去った現在は感染症が現実的な懸念となっている。国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)によると、既にモザンビークの港湾都市ベイラ(Beira)で複数のコレラ感染例が報告されており、冠水地域に取り残された人々の間でマラリアの感染者が増加しているという。また、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」も、被災者たちは肺炎など呼吸器感染症リスクにさらされていると警告している。(c)AFP/Adrien BARBIER and Joaquim NHAMIRRE