【3月23日 AFP】米国のロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官は22日、米大統領選へのロシアの介入疑惑に関する捜査を終え、報告書を提出した。司法省が確認した情報によると、モラー検察官は本件に関し、これ以上の起訴を提言していないという。

 2016年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏や親族、選挙陣営関係者がロシアと共謀したとする疑惑をめぐり、2年近くにわたって続けられてきた捜査について、トランプ氏は「魔女狩り」と非難し、野党は弾劾につながる恐れがあると主張していた。

 モラー氏率いる捜査チームはこれまでに、ロシア人25人とトランプ陣営の元関係者6人を含む30人以上の個人と団体を起訴。しかし、これ以上の起訴はないとの知らせに、トランプ氏の息子であるドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏や娘婿のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)大統領上級顧問らを含む大統領に近しい人々は、今週末は安堵(あんど)して過ごすことができそうだ。

 トランプ氏はフロリダ州に所有する高級リゾート施設「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」で報告を待っていたが、この件については今のところコメントを発表していない。大統領報道官のサラ・サンダース(Sarah Sanders)氏は、ホワイトハウスとしては「一連の手続きがこのまま進められていくことを期待している」と述べた。

 報告書の内容は機密扱いとされているが、ウィリアム・バー(William Barr)米司法長官は議会に宛てた書簡で、その結論の要旨を「今週末」に報告できる可能性があるとしており、「引き続き、可能な限りの透明性を約束する」と述べている。

 しかし、報告書の全面開示を要求する声は政界でも世論でも強く、民主党は、直ちに情報公開を要求。ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長とチャック・シューマー(Chuck Schumer)民主党上院院内総務は共同声明で、「バー長官は、報告書を全面開示し、証拠書類と捜査結果を議会に提出しなければならない」と述べた。(c)AFP/ Paul HANDLEY / Sebastian Smith