【3月22日 AFP】韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領が先週マレーシアを訪れた際、マハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)首相との合同記者会見でインドネシア語であいさつをしていたことが分かり、康京和(カン・ギョンファ、Kang Kyung-wha)外相は20日、韓国議会で謝罪した。

 文氏はマレーシアでの午後の会見時、「スラマッソレ」とあいさつ。しかしこの言葉は隣国インドネシアでよく使われる表現で、マレーシアで「こんにちは」を意味する正しいあいさつは「スラマップタン」だった。

 インドネシア語とマレーシア語は非常に似ており、ほとんどの場合で相互に理解することができる。マハティール氏は文氏のあいさつを聞いて面白がっている様子で、その場にいたマレーシアの閣僚たちからも笑いがもれたという。

 だが、午後8時から始まった夕食会で文氏は「こんばんは」を意味する「スラマッマラム」ではなく、今度は「スラマップタン」とあいさつしてしまった。

 この件に関して韓国国内で文氏に対する批判が噴出し、22日付の韓国英字紙コリア・タイムズ(Korea Times)は韓国大統領府(青瓦台、Blue House)の儀典秘書官室を「無能」と非難。

 また、コリア・タイムズは「訪問国から抗議がないことは信じ難い不注意の言い訳にはならない」と批判し、ここ最近続いた「プロ意識と倫理の深刻な欠如」を示す出来事の一例だと指摘した。

 一方、AFPの取材に応じたマハティール首相の側近は、「スラマッソレ」もマレーシアで通じると説明。さらに「文大統領があいさつした時、われわれは楽しくて面白い気持ちになった」「個人的には取るに足らない問題だと思う」と述べた。(c)AFP