【3月23日 AFP】フィギュアスケート世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2019)は22日、さいたまスーパーアリーナ(Saitama Super Arena)で女子フリースケーティング(FS)が行われ、平昌冬季五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova、ロシア)がダイナミックな滑りで大会初優勝を果たした。

 20日のショートプログラム(SP)でトップに立った16歳のザギトワは、最高難度のコンビネーションジャンプをいとも簡単に成功させるなど、FSで155.42点をたたき出して合計237.50点を記録した。

 平昌五輪後に調子を崩し、イタリア・ミラノで開催された昨年大会に続いてロシア選手権(2019 Russian Figure Skating Championships)でともに5位に終わるスランプに陥っていたザギトワは、「つらいシーズンだったけれど、金メダルを取れて本当に感激」「優勝できたのは、この一年間のつらい時期を支えてくれた人たちのおかげ。とてもうれしくて言葉がない」と喜んだ。

 カザフスタンのエリザベト・トゥルシンバエワ(Elizabet Tursynbaeva)は、4回転サルコーを成功させるなど合計224.76点を記録して銀メダルを獲得。通算2度の大会制覇を誇り、昨年の平昌五輪では同胞のザギトワに次いで2位に入ったエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva、ロシア)が合計223.80点で銅メダルを手にした。

 一方、地元ファンからメダル獲得を期待されていた紀平梨花(Rika Kihira)をはじめ、坂本花織(Kaori Sakamoto)や宮原知子(Satoko Miyahara)は、滑走順が後だったザギトワら3人に表彰台から押し出された形となった。

 世界フィギュア初出場となった紀平は、果敢に挑んだ2本目の3回転半ジャンプで転倒したのが唯一の失敗となった。全体的には華麗な演技を披露し、合計223.49点で日本勢最高の4位を記録。坂本は合計222.83点でSP2位から5位に後退し、2018年大会の銅メダリストだった宮原は合計215.95点で6位に終わった。

■カザフスタンに歴史刻む

 4回転ジャンプを成功させて観客の度肝を抜いたトゥルシンバエワは、シニア大会で4回転ジャンプの着氷に成功した史上初の女子選手となり、カザフスタンの女子として初の世界選手権メダリストとなった。

 先月の四大陸選手権(ISU Four Continents Figure Skating Championships 2019)でも紀平に次ぐ銀メダルを手にしたトゥルシンバエワは、FSのスコアが148.80点と発表されると歓喜の声を上げていた。

 カザフスタン勢として歴史を刻んだ19歳は、「もちろん、銀メダルには本当に満足」「女子(のフィギュアスケート選手)ではカザフスタンにとって初めてのメダルで、こんなことは予想していなかった。4回転に着氷できて信じられない気持ちだけれど、氷の上に踏み出したときは最高の気分で、できると分かっていた」と語った。(c)AFP/Alastair HIMMER