【3月22日 AFP】国際スケート連盟(ISU)は22日、開催中のフィギュアスケート世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2019)の練習中に、韓国の林恩讐(Eun-soo Lim、イム・ウンス)を意図的に負傷させようとしたとされる米国のマライア・ベル(Mariah Bell)について、問題無しとの判断を下した。

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 大韓スケート連盟(KSU)は、20日に行われた女子ショートプログラム(SP)のウオーミングアップ中にベルが林を蹴り、その結果として脚に切り傷ができたと林のマネジメント会社が主張している出来事について、正式に異議を申し立てていた。

 しかしISUは、処分の必要は無いと判断した。

 ISUは「この時点で手元にあるビデオ映像を含めた証拠に基づけば、ベル氏が林氏に意図的に危害を加えようとした兆候はない」「ISUは米国と韓国の選手団と会合を行い、両選手団に対して円満な解決策を見つけ出すよう促した」とのコメント文を発表した。

 アイスリンクの端にいた林の背後からベルが近づき、脚を伸ばした状態で通り過ぎていく様子を捉えたビデオ映像は、SNS上で瞬く間に明るみに出た。

 痛みに顔をしかめた様子が写真に収められた16歳の林は応急処置を受けてSPに臨むと、ベルより一つ順位の高い5位につけた。

 林のマネジメント会社は、ベルの行為が意図的だったと確信する理由があると主張していたが、米国選手団側はこれまでコメントを拒否している。

 林とベルはともにロシアのラファエル・アルチュニャン(Rafael Arutyunyan)コーチに師事しており、韓国メディアによれば、ベルは今回の世界選手権に出場するまで「数か月にわたって林をいじめていた」とマネジメント会社は主張しているという。

 同社はまた、この出来事の後にベルが林への謝罪を怠ったとしているが、両者は22日に行われるフリースケーティング(FS)後に面会する可能性がある。(c)AFP