【3月22日 AFP】フィンランド当局が、同国通信機器大手ノキア(Nokia)の携帯端末からユーザーの個人情報が中国に送信されているとの疑惑について、調査に乗り出すことが分かった。フィンランドのデータ保護オンブズマン、レイヨ・アールニオ(Reijo Aarnio)氏が21日、明らかにした。

 アールニオ氏はフィンランドの通信社STTに対し、「われわれが行った初期段階の解析に基づけば、個人情報も(中国に)送信されているようだ」と述べた。

 これに先立ちノルウェーの国営放送NRKは同日、ノキアの携帯端末「7 Plus」から位置情報やシリアルナンバーを含むデータが、中国3大通信キャリアの一つで国有の「中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)」のサーバーに送信されていたと報じていた。

 アールニオ氏は、欧州連合(EU)域内でのデータの移動は自由だが、域外への移動は「常に法的根拠に基づく必要がある」と指摘。今回問題となっているデータ移動に法的根拠があるかを確認するため、情報を請求していると述べた。

 また、データ送信の通知が機能していたのかどうかや、個人情報が中国に送信されることをユーザーが認識していたかどうかについても調査するという。

 ノキア端末の製造元でこのところ中国市場で売り上げを大きく伸ばしているフィンランドの新興企業「HMDグローバル(HMD Global)」はNRKの取材に、「7 Plus」から一部の情報が中国に送信されていたことを認めたが、それらのデータからユーザーの特定は不可能だと説明した。(c)AFP