【3月21日 AFP】サッカー元イタリア代表のフランコ・バレージ(Franco Baresi)氏は、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のユベントス(Juventus)移籍はイタリア・セリエAに活気を与え、同リーグが勢力を取り戻しているさなかにあるという印象を強いものにしたとAFPに語った。

 ACミラン(AC Milan)のレジェンドで、史上最高のDFの一人としても広く知られるバレージ氏は、ロナウドがやって来たことがセリエAが再びスター選手を引きつけているという明確なメッセージになったと話した。

 ミランでの20年間で、前身の大会を含め欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を3度制したバレージ氏は、セリエAが再び一大勢力になりつつあるのは欧州サッカー界にとっても良いことだと補足した。

 イングランド・プレミアリーグに所属するチェルシー(Chelsea)の本拠地、スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)でのイベントに出席した58歳のバレージ氏は、「ああ、イタリアサッカー界ではルネサンスが起きている。再び勢力を増している」とコメントした。

「かなりの関心があり、ロナウドのように偉大な選手も何人か加わっている」「ロナウドの移籍は非常に明確でポジティブな合図だ。イタリアサッカー界のレベルは常に高いが、また成長しているところだ」

「イタリアのチームは欧州の舞台で再び戦えるようになっており、状況は上向いている」

 ここ6シーズンのセリエAではナポリ(SSC Napoli)かASローマ(AS Roma)のどちらかが2位に入っているが、リーグ8連覇を確実なものにしたと思われるユベントスの一強時代に終止符を打つ可能性があるのは、ミラノ(Milan)を本拠地とする2チームだけだとバレージ氏は確信している。

 ナポリは今季も2位につけながらも首位ユベントスに15ポイント離されており、現在の順位表では3位にインテル(Inter Milan)が、4位にミランが、そして5位にローマが続いている。

 22歳からミランでキャプテンを務めていたバレージ氏は、「ミランとインテルはオーナーが交代し難しい時期を過ごしていたから、この7、8年でユーベは苦労しなかった」と述べた。

「しかし、伝統やブランド力、ファン、整った組織を兼ね備えているのはインテルとミランだけ。その他の2チーム(ナポリとローマ)はそうした要素をいくつか欠いている」

 バレージ氏はまた、セリエAの再興は代表チームにも波及効果をもたらしていると語った。

 イタリアはW杯ロシア大会(2018 World Cup)の出場を逃して衝撃に包まれたが、バレージ氏は代表チームを率いるロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)監督を信頼している。

「マンチーニ監督はプロジェクトを始め、高いクオリティーを持った若い選手をチームに加えたからわれわれには希望がある」

 革新者だったという理由から、指導を受けた中ではアリーゴ・サッキ(Arrigo Sacchi)氏が最も秀でた監督だったと明かしたバレージ氏は、自分たちの世代の選手とはあまり比較したくはないとしながらも、今気に入っているDFにリバプール(Liverpool FC)のビルヒル・ファン・ダイク(Virgil Van Dijk)とアヤックス(Ajax)のマタイス・デ・リフト(Matthijs De Ligt)を挙げた。

 バレージ氏は「比較するのは難しい」とした上で、「ファン・ダイクとデ・リフトが好きだ。彼らはともに非常に強く、とてもたくましい体つきをしている」「近年のリバプールはチームとして大きく成長しており、その大部分はファン・ダイクのおかげだ」と話した。(c)AFP/Pirate IRWIN