【3月24日 Xinhua News】中国航天科工集団第三研究院は、準宇宙空間を飛行するソーラードローンをベースに、空中ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を構築する飛雲プロジェクトを打ち出した。これにより、地上と海上のユーザーに対する大範囲・長時間通信の保証が実現可能になる。目下、飛雲プロジェクトは複数機の自主飛行検証を順調に完了させ、空中基地局をベースとしたプラットフォームの通信応用検証が無事終わり、段階的な成果を収めた。

 専門家によると、準宇宙ソーラードローンは太陽光を動力源とし、飛行中自主的に外界からエネルギーを取得し、数日間さらには数カ月連続での飛行が可能な新しいタイプのプラットフォームだという。飛行高度は準宇宙空間に達し、飛行高度が高い、航続時間がきわめて長い、使用と保守が簡便であるなどの特徴があり、ある意味では「準衛星」としての特徴を持っており、現在、国際的に注目される研究分野となっている。

 航天科工集団の第三研究院が研究開発したソーラードローンは高い揚力対抗力比と空力性能を実現すると同時に、ドローンの飛行コントロール難度を引き下げ、機体構造に超軽量・高強度複合材料を採用し、ドローンの耐風能力と環境適応性を引き上げた。また高效率エネルギー動力システムを採用し、ドローンを使った航続時間が長い飛行任務の信頼性を大きく高めた。

 中国航天科工集団第三研究院の張紅文(Zhang Hongwen)院長は「各サブシステムのマッチング協調設計により、ソーラードローンは飛行高度が高く、航続時間が長いという際立った優位性に依拠して、緊急通信保障、遠隔測量・製図、気象探査など多くの分野に幅広く応用することができ、広く応用される見通しを持つ」と述べた。

 張院長は次のように述べた。飛雲プロジェクトはソーラードローンに搭載された空中LAN通信設備を利用し、地上基地局よりもずっと広いネットワークカバー範囲と、エリアの制限を受けない「パートナー式」ネットワークアクセスサービスを提供することが可能で、エリア内のユーザー情報のインタラクションを実現するとともに、ユーザーがIPデータ、音声、動画などの業務データを伝送するためのリンクをもたらす。また辺地の山間区、小島の礁など、基地局を建設するのが難しい地域に有効な通信ネットワークカバーのソリューションプランをもたらすと同時に、自然災害発生時や地域の通信インフラが損なわれた際には被災地の通信能力を速やかに復旧することができる。

 このほか、カバーエリアが異なるドローン同士の中継リンクを通じた機体間情報インタラクションの構築により、より広範囲なネットワークおよび通信のカバーを実現することができる。(c)Xinhua News/AFPBB News