■ホッキョクグマが環境変化の少ないカナダ北部に移動する可能性も

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は昨年、アジアへの新たな貿易路とうたっている北航路の輸送量を現在の年間1800万トンから2024年までに8000万トンに増やすよう指示した。

 コチネフ氏によれば、これまでのところホッキョクグマは単独で狩りをするのではなく、集団で食料を探すことを覚え、不利な環境の変化にも適応している。しかし、「海面が凍結しない期間がさらに2~3週間延びれば、環境変化がより少ないカナダ北部へと移動してしまう可能性もある」という。

 そうして、ロシア領土に残されるホッキョクグマは、最終的に人と対立して殺されてしまうだろうと、コチネフ氏は話した。

 映像は、監視カメラが捉えた民家の近くを徘徊するホッキョクグマ。1月29日撮影。(c)AFP/Maria ANTONOVA