【3月20日 AFP】自転車ロードレースの強豪チームスカイ(Team Sky)が19日、新たに英化学大手のイネオス(Ineos)とスポンサー契約を結び、「チームイネオス(Team Ineos)」として再出発することを発表した。

 現スポンサーである英衛星放送スカイ(Sky)が2018年12月、2019年シーズンを最後に撤退すると発表して以来、チームは新たな支援元を探していたが、英国一の資産家が創業したイネオスの下で覇権の継続を目指すことになった。チームは5月2日に開幕するツール・ド・ヨークシャー(Tour de Yorkshire)からチームイネオスの名で参戦する。

 チームは「スカイと21世紀フォックス(21st Century Fox)がイネオスへの売却に合意した」と発表。同時にイネオスが、現在所属している選手とスタッフ、提携しているパートナーとの契約を引き継ぎ、現在の形のままチームへの資金提供をすることも明かした。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)総合優勝4回のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)、そして現ツール王者のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)の両選手も、これで一流選手ぞろいのチームがばらばらにならずに済むと発表を歓迎している。

 フルームはツイッター(Twitter)に、「選手やスタッフとして、2020年以降も一緒に続けられることがとてもうれしい」「チームイネオスとして今後も成功を収めるのが楽しみだ。この特別なグループがこれからも一緒にいられるよう尽力してくれた方々に大きな感謝を」と書き込んだ。

 トーマスも「チームの継続と、今まで通り一緒にいられることがすごくうれしい。ありがとうスカイ、よろしくイネオス」とつぶやいた。

 イネオスの創業者で、個人資産が210億ポンド(約3兆円)に上るともいわれるジム・ラトクリフ(Jim Ratcliffe)氏も、「これほどのプロフェッショナルなチームの運営」を引き受けることをうれしく思うと話した。

 スカイは過去7年間で6回ツール・ド・フランスの総合王者を輩出し、8回の三大ツール(グランツール)総合優勝を積み重ねている強豪だが、同時に彼らだけパフォーマンス向上薬の使用を特別に認められているのではないかと議論の的にもなっている。(c)AFP/John WEAVER