【3月20日 AFP】小惑星「リュウグウ(Ryugu)」に含水鉱物が多く存在していることが分かったとの研究結果が19日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。地球に水がもたらされた過程の解明につながる可能性のある発見だ。

 地球から約3億キロ離れた小惑星リュウグウは、岩塊の集合によって形成された「ラブルパイル天体」で、1億~10億年前に生まれたと推定されている。地表に着陸した小惑星探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)」の観測結果から、リュウグウは母天体から分裂したとみられることが分かった。

 会津大学(University of Aizu)の北里宏平(Kohei Kitazato)氏はAFPに対し、はやぶさ2が撮影した画像から、結晶構造の水の痕跡を含む含水鉱物がリュウグウの表面の至る所に存在していることが示されたと説明。

 リュウグウのような小惑星は地球の水の起源となった可能性があると考えられているため、今回の発見と、リュウグウから採取される試料の今後の分析により、地球上の水の起源について新たな見識が得られるかもしれないと北里氏は述べている。(c)AFP