【3月19日 AFP】タイの裁判所は19日、同国の「建設王」として知られ、クロヒョウを殺し密猟関連の罪に問われたプレムチャイ・カンナスート(Premchai Karnasuta)被告に禁錮1年4月の有罪判決を言い渡したものの、上訴を理由に保釈を認めた。タイでは有力者の罪が看過される傾向に不満が広がっており、同被告の事件も国民の怒りを招いている。

 プレムチャイ被告は、首都バンコクのモノレールや空港建設など大規模なインフラ事業に携わってきた建設会社の社長。

 昨年2月に同被告ら4人が国立公園内で、銃に加え、キジ科のミヤマハッカンやホエジカなどの死骸、クロヒョウの皮を所持しているのが見つかり、身柄を拘束された。

 逮捕後には、皮をはがれたクロヒョウの衝撃的な写真が拡散し、これに抗議するデモが行われた。

 プレムチャイ被告の弁護士は上訴の意向を示しており、裁判所の関係者によると、同被告は40万バーツ(約140万円)を納付して直ちに保釈されたという。

 タイでは密猟による逮捕や有罪判決は珍しくないが、有力者が関わるケースはまれ。

 同国の森林警備隊と連携する野生生物保護団体NGO「フリーランド財団(Freeland Foundation)」のスティーブ・ギャルスター(Steve Galster)氏は、「正義が公平に果たされていない」と指摘し、プレムチャイ被告の上訴審でも同様の判決が出ることを期待していると話した。(c)AFP