【3月19日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領(41)は18日、首都パリの大統領府で開かれた有識者や専門家らとの公開討論会に臨み、8時間以上にわたって議論した。これまでにも長時間の討論でスタミナを見せてきたマクロン氏だが、今回が最長記録となった。

 マクロン大統領は、「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動で示された怒りの鎮静化を目指して1月から「国民大討論」に乗り出し、各地で行われた討論会にこの2か月半で10回出席して市民と直接意見を交わしてきた。

 大統領は病院の相次ぐ閉鎖から外交政策まで、有権者からのさまざまな質問に臨機応変に回答。これまでの討論会も4~5時間続くことが多く、時にはそれを上回ることもあった。

 18日夜の「フランスが今後直面する主要な課題と将来の事案」と題した討論会は、過去最長の8時間10分に及んだ。終わったのは翌19日の午前2時半で、傍聴者は徐々に減り、討論の参加者の中にも閉会を待たずに退席した人もいた。

 正式には15日に閉幕した国民大討論について、開始前には批判も上がっていた。だが14日に公表された世論調査によると、マクロン大統領の支持率は昨年12月から8ポイント上昇し、有権者の31%が同大統領に肯定的な見方を示した。結果的にはこの大討論会が、黄色いベスト運動でもたらされた在任中最悪の危機を切り抜ける一助となった。

 ただ反マクロン派からは、5月の欧州議会(European Parliament)選挙を前にした事実上の選挙運動との非難が出ており、また自身と同意見のみに好んで耳を傾けたとされる南米のかつての指導者、ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)前大統領やキューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)元国家評議会議長をマクロン氏になぞらえる声も上がっている。(c)AFP/ Laurence BENHAMOU and Adam PLOWRIGHT