【3月19日 AFP】ニュージーランドの南島クライストチャーチ(Christchurch)のモスク(イスラム礼拝所)2か所でオーストラリア人の男(28)が銃を乱射し50人を殺害した事件を受けて、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は19日の国会で、犯行の目的には容疑者の男が悪名をとどろかせようとしたこともあったと指摘し、その望みをかなえさせないために今後一切この男の名前を口にしないと述べた。

 イスラム教徒に向けてアラビア語で「アッサラーム・アライクム(あなたの上に平安を)」と呼び掛けたアーダーン首相は、悲しみに暮れる国民に「男はニュージーランドの法律の最大限の力に向かい合うことになる」と約束した。

 アーダーン首相は「男は、罪を犯すことでたくさんのことを得ようとしたが、その一つが自身の悪名をとどろかせることだった」 「それ故に、私が今後この男の名前を口にすることは決してない。彼はテロリストで、犯罪者で、過激主義者だ。しかし彼は、私が話すときは、名前を持たない」と述べた。

 さらにアーダーン首相は「皆さまにお願いがあります。人の命を奪った男の名前ではなく、命を失った人たちの名前を声に出してほしいのです」と訴えた。(c)AFP/Chris FOLEY