【3月19日 AFP】約40キロのプラスチックごみが胃にたまって餓死寸前に陥ったクジラが15日にフィリピンの海岸に打ち上げられ、翌日に死んでいたことが分かった。環境保護活動家らが18日明らかにした。活動家らは、過去に見てきた海洋プラスチック汚染の事例の中でも、今回は最悪の部類に入ると指摘した。

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 フィリピンは使い捨てプラスチックへの依存度が高いことから、環境保護団体から世界最大級の海洋汚染国と評されている。

 地元漁業当局によると、このクジラはアカボウクジラと呼ばれる種で、15日に同国南部コンポステラバレー(Compostela Valley)州の海岸に打ち上げられ、16日にこの海岸で死んだ。

 その後、当局と環境保護団体がクジラの死骸を解剖したところ、体内からレジ袋やコメ袋など約40キロのプラスチックが見つかった。

 調査を支援したDボーンコレクター博物館(D' Bone Collector Museum Inc.)のダレル・ブラッチェリー(Darrell Blatchley)館長は、クジラの死因は餓死だと述べたほか、胃にたまったごみのせいで食べることができなかったとした。

 ブラッチェリー氏はAFPに対し、今回の出来事は「非常に不快で胸が痛む」と述べ、「われわれは過去10年で61頭のイルカとクジラを解剖してきた。今回(プラスチックの量)は、われわれが見てきた中でも特に多い」と説明した。(c)AFP