【3月18日 時事通信社】中国外務省は18日、習近平国家主席が21~26日の日程でイタリア、モナコ、フランスを公式訪問すると発表した。今年最初の外遊で自由貿易体制を擁護する欧州首脳と連携し、保護主義的主張を掲げるトランプ米政権をけん制する狙いがある。イタリアは先進7カ国(G7)として初めて、習氏が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」推進に協力する覚書を締結する見通しで、米国は警戒感を示している。

 王毅国務委員兼外相は8日の記者会見で、習氏の訪欧に関し「中国と欧州は一国主義や保護主義の反対で一致している」と説明。一帯一路では「イタリアを含む欧州各国が共同建設に積極参加することを歓迎する」と呼び掛けた。

 イタリアのコンテ首相は既に、一帯一路の覚書を結ぶ方針や、4月下旬に習氏が北京で主宰する一帯一路関連の第2回国際会議に出席する意向を表明している。中国はイタリアの一帯一路参加をバネに、欧州連合(EU)主要国のフランスやドイツの合流も期待する。

 しかし米国は中国主導の経済圏構築を「挑戦」と捉え批判している。米国家安全保障会議(NSC)報道官はツイッターで、「中国の虚栄心を満たすインフラ計画にイタリアがお墨付きを与える必要はない」と敵意をむき出しにした。

 中国外務省の耿爽・副報道局長は18日の記者会見で、「イタリアは自国の利益に基づき、正しい決定や選択ができると信じている」と反論。米側の圧力に不快感を示した。

 一方、習氏がイタリア訪問時にフランシスコ・ローマ法王と会見するという観測があるが、伊メディアなどによると可能性は高くなさそうだ。それでも台湾外交部(外務省)の報道官は「習氏のイタリア訪問を注視する」と敏感な反応を示している。

 バチカン(ローマ法王庁)と中国は昨年9月、キリスト教カトリックの司教任命権をめぐる対立解消に向け暫定合意した。中国は台湾独立志向の蔡英文・民進党政権を国際社会から排除する思惑もあり、バチカンとの外交関係を台湾から奪うことを画策しているとみられている。(c)時事通信社