【3月20日 Xinhua News】日本の公益社団法人、服飾文化研究会は16日、日本に伝えられた中国文化に対する感謝の意を表すため、福建省の福清黄檗(おうばく)文化促進会に100年の歴史を持つ日本の着物2点を寄贈した。

 福清黄檗文化促進会会館で行われた寄贈式では、服飾文化研究会の代表が同促進会のスタッフに着物を着せ、和服の優雅さを紹介した。同促進会は返礼として書道作品を贈った。

 今回寄贈された2点の着物は、明治時代の赤地ちりめんに秋草文が描かれた色打ち掛けと、大正時代の黒地ちりめんに松竹梅文が描かれた振り袖で、いずれも今から約100年前の日本の典型的な婚礼衣装とされ、繊細で美しい作りとなっている。

 黄檗文化研究者の林観潮(Lin Guanchao)氏は「2点の着物に描かれた『秋の七草模様』や『松竹梅文』などの模様は、いずれも唐代に中国から日本へ伝わったもので、織りや染め、刺しゅうなどの技術も同様だ」と説明。「秋の七草模様」は女性の7種類の気持ちを表しており、こうした文化的イメージは今でも日本の歌の中に残っていると指摘した。

 服飾文化研究会の渡辺チヱ会長はあいさつで、自身が日本の伝統服飾文化の仕事に約70年従事する中で、中国文化の深い恩恵を強く感じてきたと説明。5000年の中国文化は服飾だけでなく、日本人のほとんどの文化や教養の中に深く刻みこまれていると指摘した。

 渡辺氏は、中国の黄檗文化促進会に対する感謝を述べ、「今日、このようなご縁をいただき、ちりめんの婚礼衣装を文化の故郷である中国に贈ることができた。これは服飾文化の回帰であり、私自身も故郷に帰ってきたようだ」と語り、両国の末長い友好を心から祝福した。

 服飾文化研究会は昨年9月、福清黄檗文化促進会を通して、福建省漢服文化促進会に100年の歴史を持つ着物1点を寄贈しており、同省と日本の友好的な民間交流のエピソードとして話題を呼んだ。(c)Xinhua News/AFPBB News