【3月18日 AFP】セルビアの首都ベオグラードで17日、アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領の強権体質とメディア介入に抗議する大規模なデモが行われ、数千人が大統領府を取り囲んだ。

 デモ隊は数時間にわたって大統領府を実質的に封鎖した。国内の数十か所でも反政府デモが行われた。セルビアではブチッチ大統領が独裁的になってきていると指摘されており、昨年12月から毎週反政府デモが行われてきた。17日のデモで、現政権との対決姿勢を強める反政府派の姿勢が改めて浮き彫りになった。

 前日の16日には与党に迎合していると政府系テレビ局セルビア放送(RTS)を批判するデモ隊がRTSの建物に乱入。2013年までベオグラード市長を務めていたドラガン・ジラス(Dragan Djilas)氏や右派政党「セルビアの生活のための運動(Dveri)」のボシュコ・オブラドビッチ(Bosko Obradovic)氏の姿もあり、一連の反政府デモで野党指導者の存在感が増している。

 セルビアは2025年の欧州連合(EU)加盟を目指しているが、欧州委員会(European Commission)は昨年、セルビアの報道の自由について、ジャーナリストへの脅迫や暴力があると批判していた。(c)AFP