【3月17日 AFP】ニュージーランドのクライストチャーチ(Christchurch)にあるモスク(イスラム礼拝所)2か所で15日に起きた銃乱射事件について、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は17日、事件直前に容疑者から首相府に犯行声明とみられる文書「マニフェスト」が送られたことを明らかにした。

 アーダーン氏は記者団に対し、「事件の9分前にメールで送信されたマニフェストは30人余りが受信し、わたしはその一人だった」と語った。また「場所などの具体的な情報は含まれていなかった」と説明するとともに、マニフェストが受信から2分以内に治安当局に転送されたと付け加えた。

 さらに、冗長で陰謀論に満ち、極右思想に基づいたマニフェストの一部には目を通したとして、「今回の襲撃事件に関して過激な意見を伴うイデオロギー的なマニフェストがあったことは、言うまでもなく極めて憂慮すべきことだ」と述べた。

 遺族の間で回覧されているリストによると、事件の死者は3歳から77歳まで年齢層が幅広い。男性は44人、女性は4人で、警察が死亡を確認した50人中2人の身元は不明。犠牲者の出身地はイスラム世界各地に広がっている。当局の身元確認はまだ完了していない。(c) AFP