【3月17日 AFP】フランスで16日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動が行われた。昨年11月に始まった一連のデモは今回で18週目。

 首都パリのシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りでは同日、複数のデモ参加者が商店で略奪を行うなど、ここ数週間のデモに比べて暴力が激しさを増した。

 凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)を警備する警官にデモ参加者が投石するなか、紳士服ブランド「ヒューゴボス(Hugo Boss)」の店舗や老舗カフェ「フーケ(Fouquet's)」などが略奪の被害を受けた。

 マクロン大統領は、有権者が不満を訴え、政策変更を提案する場として「国民討論会」を今年1月から開いてきたが、デモ参加者らは、不満をそらすものでしかないと指摘していた。今回のデモはこの討論会の終了と同時に実施が呼び掛けられた。

 16日のデモ参加者数は、昨年11月に燃料税値上げに対する抗議運動として始まり、その後反政府運動に発展したジレ・ジョーヌ運動の勢力を判断する目安になるとみられている。

 ここ数週間デモ参加者は減っていたが、内務省の推計によると16日は仏全土で約3万2300人、うちパリで約1万人。一連のデモが始まった昨年11月17日の全国の参加者28万2000人からは大幅に減っているが、前週を上回った。16日のデモで警察は240人近くを逮捕した。検察当局によると100人以上が拘束されている。(c)AFP/Simon VALMARY, Clare BYRNE