【3月16日 AFP】東アフリカのモザンビーク中部の大都市ベイラ(Beira)で15日、熱帯サイクロン「アイダイ(Idai)」の被害で少なくとも19人が死亡、50万人以上が孤立状態に置かれていることが分かった。

 国営のラジオ・モザンビーク(Radio Mocambique)は、最初に入ってきた情報では、アイダイの被害によりソファラ(Sofala)州で19人が死亡、70人超が負傷したと報じている。死者が集中しているのは、同州の州都で港湾都市のベイラ。同市は、送電設備が破壊され、空港が閉鎖された他、洪水により道路が冠水しているため、陸の孤島と化している。

 地元の当局者によれば、国内全体でみると、今週発生した豪雨による死者はすでに66人に達しており、111人が負傷、1万7000人が避難を余儀なくされている。

 当局者によると、モザンビーク、隣国マラウイ、南アフリカ共和国での豪雨災害による死者は、この1週間で少なくとも計126人に達している。マラウイ政府の最新の集計では、豪雨による死者は56人に上り、100万人近くが被災したという。

 AFP特派員によれば、マラウイ当局は緊急避難所を開設しているが、マラリアが発生し、物資が不足しているために現地は悲惨な状況に陥っている。

 一方、国連(UN)は、モザンビークでは今月に入って発生した洪水により、約1680平方キロの耕地で農作物に被害が出ており、食料難と栄養不足をもたらす恐れがあると警鐘を鳴らしている。

 世界で最も貧しい国々とされるモザンビークとマラウイは、雨期には犠牲者を伴う洪水に、乾期には慢性的な干ばつに悩まされている。

 また、近隣のジンバブエでは現在、東部で激しい雷雨と強風の警報が出されている。(c)AFP/Joaquim Nhamirre