【3月15日 AFP】メキシコ北部カリフォルニア湾(Gulf of California)で、生息数が約20頭にまで減っているとされる絶滅危惧種のコガシラネズミイルカ1頭が、漁網に掛かって死んでいるのが発見された。海洋環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd)」が14日、明らかにした。

 同団体の監視船2隻が12日、海洋保護区の刺し網に、腐敗が進んだコガシラネズミイルカの死骸が掛かっているのを発見した。

  環境活動家らによると、ネズミイルカ科の中でも世界最小のコガシラネズミイルカは、同じくらいの大きさでやはり絶滅が危惧されているトトアバという魚の漁に使われる刺し網に掛かり、絶滅寸前に追い込まれているという。

 シー・シェパードの海洋監視活動を指揮するロッキー・マクレーン(Locky Maclean)氏は、「過去に十分な証拠があったにもかかわらず、トトアバの刺し網がコガシラネズミイルカや他のクジラ類にとって大きな脅威であることに疑問があったならば、今回の件で疑いの余地は一切なくなったはずだ」と話した。
 
 メキシコ政府は2017年、訓練されたイルカを使って生存するすべてのコガシラネズミイルカを海洋保護区に移す計画を開始したが、最初に保護したうちの1頭が死んでしまったことを受けて、中止を余儀なくされた。(c)AFP