【3月15日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)が、シーズン開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2019)を前に、マシンなどで表示していたたばこ会社のプロジェクト名のロゴを削除し、替わりにチーム創設90周年のロゴを入れた。

 フェラーリはすでに、米たばこ大手フィリップモリス(Philip Morris)の科学研究プロジェクト「ミッション・ウィノウ(Mission Winnow)」のロゴが、たばこ広告を禁じるオーストラリアの法律に抵触する可能性が浮上したことを受け、同ロゴを今季のマシン「SF90」やスーツからすべて外すことに合意していた。

 その中でチームは、1929年にエンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)氏を中心にチームが創設されてから90年がたつことを記念した、新たなロゴを採用することを発表した。今季のフェラーリはセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)とシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)の体制でシーズンに臨む。

 フェラーリは声明で「今季のマシンの名称である『SF90』も、今年が記念の年であることを祝うものだが、それに加えてわれわれは、この偉業をたたえる姿勢を開幕戦でもっと明確に示すことを決めた」「オーストラリアGPの週末を通じて、SF90の外装、レーシングスーツ、およびチームの備品のいくつかには、スクーデリア90周年を祝うロゴが入ることになる」と述べた。

 フィリップモリスは、科学研究をする子会社「ミッション・ウィノウ」を通じて昨年10月に再びF1のスポンサーに参入を果たし、フェラーリのマシンにはそのロゴが使用されていた。

 昨年の日本GP(Japan Grand Prix 2018)で大々的に披露されたこのロゴについては、レースを放送したテレビ局がたばこ広告を禁じる規則に抵触したかをめぐり、オーストラリア通信メディア庁(ACMA)が調査に乗り出していた。また、メルボルンのあるビクトリア(Victoria)州政府も同様に、物議を醸しているブランディングに関して調査を行っていた。

 フィリップモリス側は前週、ブランド名を取り下げることを受け入れつつ、「当社の活動に関わる世界中のあらゆる法律を順守している」点は引き続き確信していると発表している。

 フェラーリ広報はすでに、ミッション・ウィノウのロゴは今月末に行われる第2戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2019)で復活する見込みだと話している。F1では、統括団体の国際自動車連盟(FIA)がたばこ関連の宣伝広告を禁じている他、レースを主催する国の多くが同様の禁止措置を取っている。(c)AFP