【3月12日 AFP】イランの革命裁判所(Revolutionary Court)は11日、著名な女性人権派弁護士ナスリーン・ソトゥーデ(Nasrin Sotoudeh)氏(55)に対し、国家の安全保障を侵害したとして禁錮7年の有罪判決を言い渡した。イラン学生通信(ISNA)が同日、明らかにした。

 首都テヘランで行われた裁判の判事は、国家体制に背いた共謀罪で禁錮5年、最高指導者のアリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師を侮辱した罪でソトゥーデ氏に禁錮2年判決を下したとISNAに説明した。ソトゥーデ氏は既に上訴したという。

 
 人権擁護活動で国際的な賞も受賞しているソトゥーデ氏は昨年6月に逮捕されたが、それ以前に行われた欠席裁判でスパイ行為の罪で禁錮5年の判決が言い渡されている。

 11日の裁判で下された禁錮7年と合わせると、禁錮期間の合計は12年となる。だが、ソトゥーデ氏の夫レザ・カンダン(Reza Khandan)氏が11日にフェイスブック(Facebook)で語ったところによれば、ソトゥーデ氏には禁錮5年および禁錮33年とむち打ち148回が宣告されたという。

 ソトゥーデ氏は未成年時の罪で死刑判決を受けた若者たちの弁護を引き受けるなど、高い注目を集める裁判で被告弁護に取り組む人権派弁護士として知られる。

 2009年の大統領選では物議を醸しながらも超強硬派マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)氏が再選し、これに抗議する大規模デモの参加者らが多数逮捕され、ソトゥーデ氏はその弁護を担当。だが、その後、身柄を拘束されて3年間服役した。

 2012年には欧州議会(European Parliament)が人権擁護活動などで功績のあった人物に贈るサハロフ賞(Sakharov Prize)を受賞している。(c)AFP