【3月12日 AFP】スーダン議会は11日、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領が先月出した非常事態宣言について採決を行い、期間を同大統領が宣言した1年ではなく、6か月間とした上で宣言を認める案を可決した。

 バシル大統領は2月22日、自身の圧政に対する抗議運動の鎮静化を狙い、非常事態宣言を出していた。

 スーダンでは昨年12月19日、政府がパンの価格を3倍に引き上げたことを受けて抗議デモが発生し、バシル政権に対する全国規模の抗議運動へと急速に発展。抗議はバシル大統領が取り締まりに動いたにもかかわらず継続し、政権を揺さぶっている。

 専門家らは一連の運動について、30年に及ぶバシル体制で最大の危機だとしている。

 当局は、抗議行動に関連した暴力で31人が死亡したと発表。一方、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は、死者は医療関係者や子どもを含め、少なくとも51人に上るとしている。

 スーダンの著名人権活動家、ナビル・アディブ(Nabil Adib)氏は11日の採決について、「議会はバシルの命令に逆らいたくないので、非常事態を6か月間維持するという妥協策を打ち出した」と指摘した。

 同氏は「だが私にとって、問題は6か月か1年かということではない。この措置はスーダン憲法が認める人権を侵害している」と語った。(c)AFP/Abdelmoneim Abu Idris Ali