【3月15日 CNS】中国の女性労働者の総収入は全体的に上がったものの、男性との収入格差は改善されていないことが、中国の大手求人情報サイト智聯招聘(Zhilian Zhaopin)が発表した「中国女性職場調査報告」で明らかになった。

 2019年の男性労働者の収入は女性よりも23%上回り、18年比で性別による収入格差は1%増加していた。また、男性の総収入の対前年増加率は、女性に比べて8ポイント高かった。

「報告」によると、職級が上がるにつれ、男女間の収入格差が拡大し、指導者層の女性の割合が急激に減少した。高級管理職の81.3%が男性で、女性は18.7%程度に留まっている。

 昇進の点から見ると、高級管理職の男性は今後1年で女性よりも昇進する可能性が高く、女性にとっては職級が上がれば上がるほど、「天井打ち」が顕著になっている。

 女性の昇進をはばむ原因としては、結婚後の子育てによって昇進の機会を逃すことが深刻になっているようだ。伝統的概念では、女性は結婚、出産、家庭において重要な役割を果たすものだとされるのに対し、男性は実際の家庭と生活の中で役割を欠いている。女性が家庭に多くの時間とエネルギーを投入せざるを得ない中で、特に育児中の既婚女性にとっては、「仕事より家庭を優先する」という、厳しい固定観念があるからだと考えられる。

「報告」では、このように形として見えないものが労働市場において女性を排斥しており、女性上司への配慮が少ない点も、既婚者で妊娠を経験していない女性の約33%が「女性が昇進できない壁」だと考えていると指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News