【3月12日 CNS】米テスラ社(Tesla)はこのほど、中国で販売しているすべての電気自動車の価格を大幅に引き下げると発表した。下げ幅は、「Model 3」が2万6000~4万4000元(約43万~74万円)、「Model S」が1万1300万~27万7500万元(約19万~458万円)。「Model XP100D」は下げ幅が最も大きく、34万1100元(約564万円)となるとしている。

 テスラの潜在的な消費者にとっては、これほどの値下げは間違いなく大きな魅力だが、既存のオーナーは不満だ。

 寥(Liao)さんは、値下げ発表の数日前にテスラ車を購入したばかりだ。廖さんは「買った時の値段は95万元(約1570万円)だったが、突然77万元(約1272万円)に値下げされた。4日間で17万4300元(約288万円)の損だ」と怒る。

 既存オーナーの不満に対し、テスラは発表の翌日、「今回の値下げ前にテスラ車を購入した全てのユーザーは、Autopilotの自動補助運転、あるいは全自動運転機能へのグレードアップ時の価格優遇される」と表明している。

 注目すべきは、テスラは米国では老舗高級車メーカーに勝つことができたが、中国では決して芳しくないことだ。中国におけるテスラの2018年第3四半期の販売台数は3169台で、37%の下落。10月度の販売台数はたったの211台で、70%の急降下だ。業界の専門家は、テスラ車の値下げは販売台数を引き上げる助けとなるだろうとみる。

 中信証券(CITIC Securities)によると、テスラの値下げにより業界に一種の刺激が加わり、電気自動車(EV)化とスマート化が加速するとしている。上海工場での生産が始まった後の「Model 3」の販売価格は30~40万元(約495~660万円)まで下がり、比亜迪(BYD)や上海汽車などの2020年度以降のEV車にとって圧力となり、中国の自主ブランド新エネルギー自動車の価格帯は15~20万元(約250~330万円)となると分析している。(c)CNS/JCM/AFPBB News