【3月21日 東方新報】中国・吉林省(Jilin)長春市(Changchun)のクリーニング店が22人の自閉症の人を雇用しており、話題となっている。

 この店の商玉竜(Shang Yulong)店長は「2017年から自閉症の人たちを雇用してきた。患者は働くことで給料を得ることができ、社交能力の訓練もできる。収入によって家庭の生活環境を改善する上でも役に立つ」と話す。

 商さんは05年、支援を必要とする児童向けの言語回復訓練学校の設立に参画している。この学校で学んだ児童・生徒の保護者から働き口がないとの話を聞き、17年に「障害者によるクリーニング会社」を設立した。商さんは多くの業種を検討した結果、付加価値が高く、交代勤務が可能な点、また安全面も考慮してクリーニング店を選択した。

 自閉症の店員の約3分の1は、訓練学校の卒業生、3分の2は外部から募集した店員で、みな就業を強く希望しており、訓練を経て十分に業務ができるようになっている。

 商さんは、「店員の状況は特殊かもしれないが、サービスの水準は低くなく、洗濯に使う材料は全て輸入品だ。一般の店に比べ仕上がりは多少遅いかもしれないが、料金は約20%安く、品質もなかなか良い」と話す。

 店の経営状態については「最初の頃はこの仕事への理解が浅かったので色々と回り道をしたが、注文も徐々に増えてきて、現在は黒字を確保している」とのこと。

 開業当初は友人知人の推薦に頼っていたが、その後は店の評判も次第に高くなり、外部の評価結果も良かったことや公益上の観点から、仕事を入れてくれる顧客が増えた。

 この店では、体と情緒の両面から店員の労働時間を3時間と規定している。給料は平均で1000元(約1万6000円)を多少超える程度だ。

 クリーニング店が軌道に乗った現在、商さんはもっと多くの事業を検討している。「障害者創業園」という施設を建てている最中だが、すでに幾つかの企業が興味を示し、4月か5月には企業が入居する見込みだ。商さんは、この創業園でより多くの障害者が就業できるようにと希望している。(c)東方新報/AFPBB News