【3月11日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(83)がインドに亡命するきっかけとなった「チベット動乱」から60年を迎えた10日、チベット亡命政府があるインド北部ダラムサラ(Dharamshala)で式典が開かれた。インド各地では亡命チベット人らが中国の支配に抗議するデモを行った。

 ダラムサラの仏教寺院に集まった多数の亡命チベット人らは、中国軍の弾圧の犠牲となった人々を追悼。式典にダライ・ラマは出席しなかったが、亡命政府の閣僚らや外国からの招待客などが列席し、伝統の舞踊やチベットの歌が披露された。中国が分離主義の象徴とみなす、雪山と2頭のスノーライオンが描かれたチベットの旗を掲げた人々や、「チベットに自由を」と顔にペイントした参加者の姿もあった。

 1959年にチベットの人々が中国の支配に抵抗して蜂起し、中国軍に武力制圧された「チベット動乱」では、多数のチベット人が犠牲となった。ダライ・ラマは徒歩で2週間かけてインドに亡命し、亡命政府を樹立した。(c)AFP