【3月24日 AFP】先月モロッコの首都ラバトで開かれた安全保障関連の見本市「ASEC Expo」では、各国のIT関連の出展企業がアフリカ諸国の当局者らに対し、自社の最先端の監視機器によって安定と発展がもたらされると盛んにアピールした。

 主催者によれば、この種の見本市はアフリカ大陸初だという。世界中から集まったIT企業がもくろんでいるのは、急速な都市化と経済成長が著しいアフリカ大陸の新興市場征服だ。監視機器関連業界は、欧州から市民の自由を侵犯するとの疑いの目を向けられ、規制されているが、そんな業界にとって今、法整備の進んでいないアフリカ諸国は魅力的なパートナーに映っている。

 この見本市で大きな存在感を放っていたのが中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)だ。すでにケニアやカメルーン、マリやコートジボワールの首都に導入されている監視ネットワークの成功を大々的にアピールしていた。ガーナのアルバート・カンダパー(Albert Kan-Dapaah)国家安全保障相は同社の宣伝映像に登場。「犯罪が起きても、監視カメラのおかげで、われわれは魔法を起こせる」と効果をうたった。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、ファーウェイの機器はすでに100か国、700を超える都市に導入されており、うち25か国以上がアフリカだという。一方、米国やオーストラリアは、中国当局のサイバースパイ活動とファーウェイのつながりを疑い、国内の第5世代(5G)通信網への参入から同社を締め出している。

 市場調査会社ストラティスティクスMRC(Stratistics MRC)によると、世界のビデオ監視機器市場は2017年時点で300億ドル(約3兆3300億円)規模に成長し、今後数年間で2桁成長を達成すると同社は予測している。