【3月11日 AFP】パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は10日、長年の右腕だったモハマド・シュタイヤ(Mohammad Shtayyeh)氏(61)を新首相に指名した。政府高官が明らかにした。イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)をさらに孤立させる動きの一環となる。

 アッバス氏率いるパレスチナの主流派組織ファタハ(Fatah)のマフムード・アロウル(Mahmoud al-Aloul)副議長がAFPに、アッバス氏が同党の中央委員シュタイヤ氏に新政府の組閣を要請したと明らかにした。

 パレスチナ解放機構(PLO)の公式通信社、パレスチナ通信(WAFA)もこの動きを伝えた。

 一部のアナリストの間では、政治的には無党派のラミ・ハムダラ(Rami Hamdallah)首相の後任にシュタイヤ氏を指名したことは、ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配しているハマスをさらに孤立させたいアッバス氏の意向によるものとみられている。

 ハマスは今回の指名について「アッバスの単独行動主義と権力独占」の反映だと表明。ハマスの報道官は声明で「ハマスはこの分離主義的な政府を認めない。なぜならば、国民的コンセンサス抜きでつくられたからだ」と言明した。(c)AFP/Nasser Abu Bakr