【3月10日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で9日夜、武装勢力による襲撃があり、警察官9人が死亡、1人が負傷した。この他に1人が行方不明になっている。匿名の警察幹部が10日、AFPに語った。

 襲撃があったのは州都シットウェ(Sittwe)のすぐ北にある村。漏えいした警察の報告書によると、警察署から武器も持ち出されたという。これまでのところ犯行声明は出ていない。


 同州では、流血の事態となった2017年の軍による厳しい取り締まりで、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)約74万人がバングラデシュ領内に逃げ込んだ。同州の仏教徒住民であるラカイン人も軍に協力したと批判されている。

 だが軍は今、ラカイン人の自治権と権利拡大を掲げる武装組織アラカン軍(Arakan Army)に対する戦闘を繰り広げている。

 ミャンマーでも最も貧しい州の一つで、多くの住民が長年にわたって中央政府から差別されてきたと感じているラカイン州の住民の間では、アラカン軍への支持が広がっている。2009年に創設されたアラカン軍はその勢力を拡大し、現在は数千人を擁するとみられている。

 アラカン軍は昨年末から活動を活発化させていたが、今年1月の独立記念日に警察の拠点4か所を襲撃したことで注目を集めた一方、国軍はすぐに報復に乗り出した。(c)AFP