【3月10日 AFP】アルジェリア文化省は9日、首都アルジェにある同国最古の博物館、「国立考古学博物館・イスラム芸術館（National Museum of Antiquities and Islamic Arts）」が、8日に行われたアブデルアジズ・ブーテフリカ（Abdelaziz Bouteflika）大統領が5期目を目指して4月に予定されている大統領選に立候補したことに抗議するデモのさなか、略奪と破壊行為の被害にあったと発表した。

　博物館の一部が破壊されて展示品が盗まれたほか、事務所が放火され複数の文書や記録が壊されたが、消防がすぐに出動して延焼を防ぎ、警察は19世紀初頭のフランスのアルジェリア征服時にアルジェリア人の抵抗運動で使われたサーベルを回収したという。

　文化省は「アルジェリア国民の歴史における幾つかの重要段階にわたる歴史遺産に対する犯罪だ」と厳しく批判した。アルジェリアがフランス支配下にあった時代（1830～1962年）の1897年に開設され、2500年以上に及ぶ期間の歴史と美術を扱っている同館は、アフリカ全体でも最も古い博物館の一つ。(c)AFP