【3月10日 AFP】(写真追加)米カリフォルニア州で先週、ビデオチャットで死期が迫っていると告知された70代の男性が、その翌日に死亡する出来事があり、遺族が病院の対応を非人間的でロボットのようなやり方と非難している。

 アーネスト・キンタナ(Ernest Quintana)さんは4日、同州フレモント(Fremont)にある病院で死期をビデオチャットで告知され、翌5日に死去した。

 医師がビデオチャットで、キンタナさんは両肺が衰えており、帰宅することはできないだろうと告知したとき、付き添っていたのは孫娘一人きりだった。

 孫娘は現地テレビ局KTVUに対し、「その時が迫っていることも祖父の健康状態が非常に悪いことも分かっていた。それでも、あんなやり方であのような知らせを伝えるべきではないと思う。人がやって来て告知すべきだった」と語った。

 KTVUによると、キンタナさんは聴覚に問題があったため、孫娘がキンタナさんに伝えなければならなかったという。

 キンタナさんの治療を行ったカイザー・パーマネンテ・フレモント医療センター(Kaiser Permanente Fremont Medical Center)は、米メディアを通じて家族に哀悼の意を表する一方、「ロボット」が死期を告知したという表現については異議を唱えた。

 同センターは、「『ロボット』という言葉の使用は不正確で不適切」とした上で、ビデオチャットでの告知について、「医師と実際に会話するもので、病室には常に看護師1人か他の医師がいた」と説明。行き届かない点があったことに遺憾の意を表し、今回の反省を生かしてビデオ通話機能を使って患者がより良い体験をできるようにしていきたいと表明した。(c)AFP