【3月9日 AFP】トルコ最大都市イスタンブールの中心部で8日、「国際女性デー(International Women's Day)」に合わせて女性ら数千人が当局が禁止した抗議デモを行い、女性の権利向上を求め、女性への暴力を非難した。警察はデモ参加者に催涙ガスを使用した。

 歩行者専用の目抜き通り、イスティクラル通り(Istiklal Avenue)の入り口付近では、暴動鎮圧用の装備をした治安部隊が女性らの集団を押し返した。警察がデモ参加者に向かって催涙ガスを発射し、警察犬を使って威嚇すると、多くのデモ参加者が脇道に逃れた。

 昨年の国際女性デーの行事は平穏に行われたが、当局は今年、デモが実施される直前にイスティクラル通りでのデモ禁止を発表した。

 警察はデモ開始前から市の中心部に多数出動し、タクシム広場(Taksim Square)の周囲に非常線を張った。多くの商店はこの日の営業を見合わせた。数千人のデモ参加者は、最終的にイスティクラル通りのごく一部での抗議行動を認められた。

 トルコの女性活動家らは、女性に対する暴力根絶のための措置が不十分だとして以前からイスラム色の強いレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権を批判している。

 一方、スペインでも同日、来月の総選挙の争点になっている女性平等を求めてストライキと大規模なデモ行進が行われた。

 国内二大労組の労働者総同盟(UGT)と労働者委員会(CCOO)は2時間の時限ストライキを実施。UGTによると全国で600万人以上が参加した。他にも、複数の小規模な労組が24時間ストを呼び掛けた。

 2時間の時限ストは昨年の国際女性デーに初めて行われ、これを再び実現させようと、マドリードのマヌエラ・カルメナ(Manuela Carmena)市長や複数の著名ジャーナリスト、修道女らがデモ参加を表明していた。

 北部バスク(Basque)自治州では、女性議員の大半が議会に出席せず、議会の延期を余儀なくされた。

 スペインでは4月28日に総選挙が予定されている。左右両派が女性の権利を争点とし、男女の不平等是正を公約に掲げている。(c)AFP/Fulya Ozerkan with Raziye Akkoc in Ankara, Laurence Boutreux with Daniel Bosque in Barcelona