【3月9日 Xinhua News】中国の第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議プレスセンターは8日午前、「中国の外交政策と対外関係」に関する記者会見を開き、王毅(Wang Yi)国務委員兼外交部長が内外記者の質問に答えた。そのポイントを以下に挙げる。

 ▽新中国外交70年の成果と経験

 中国外交の輝かしい実績は、まずは党の指導のたまものだ。これこそ中国外交の最も根本的な政治的保障だ。

 70年来、中国共産党は時代と共に進み、中国の特色ある外交理論体系を絶えず一層豊かに発展させ、一連の優れた伝統と鮮明な特色を形成した。

 独立自主は中国外交の礎石、「天下公に為す」は中国外交の抱負、公平正義は中国外交が堅く守るもの、互恵・ウィンウィンは中国外交が目指すもの、国内の発展をサポートすることは中国外交の使命で、国民のための外交は中国外交の主旨だ。

 ▽朝鮮半島の非核化

 対話が途絶えず、方向性が変わらなければ、朝鮮半島の非核化という目標は最終的に必ず実現できる。

 朝鮮半島の核問題は複雑に入り組んでおり、その解決は一挙に成し遂げられるものではない。各国はこれに対し、理性的な見通しを持つべきで、最初から高すぎるハードルを設けたり、一方的に現実離れした要求をすべきではない。

 問題解決の鍵は、各国が歴史の枠から飛び出し、相互不信の呪いを打ち破ることだ。

 問題解決の道は、半島非核化の実現と平和メカニズムの構築の全体的なロードマップを共に制定した上で、「段階的、同時並行的」というアプローチに基づいて、各段階が繋がり、促進し合う具体的措置を明確にし、さらに各国が合意した監督メカニズムの下で、簡単なところから着手し、順を追って進めていくことだ。

 ▽第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラム

 習近平(Xi Jinping)主席の指摘通り、「一帯一路」構想は中国を源とするが、その成果は世界のものだ。第2回サミットフォーラムが必ず円満な成功を収め、「一帯一路」共同建設における新たな一里塚になると期待し、確信している。

 ▽中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟(Meng Wanzhou)事件

 最近発生した特定の中国企業や個人を対象とする行為は、全く単純な司法案件ではなく、意図的な政治的抑圧だ。関係企業や個人が法律を武器に自らの権益を守り、「沈黙する羊たち」にならないことを支持する。

 理非曲直は人々の心にあり、正義はやがて果たされる。

 われわれが今、守ろうとしているのは、一企業の権益だけでなく、一国の、一民族の正当な発展の権利であり、科学技術水準を向上させたい全ての国のしかるべき権利だ。

 ▽中国・欧州関係

 独立自主は一貫して欧州の伝統だ。国際社会の主要な力の一つとして、欧州が自らの根本的かつ長期的な利益の観点から、対中政策の独立性、安定性、積極性を維持し、中国と共に各分野における互恵協力を深め、国際ルールを守り、世界の平和を守るために貢献すると信じている。

 ▽中米関係

 40年間、風雨をしのいできた中米関係は、歴史的な進展を遂げつつ、新たな試練にも直面している。過去の経験をまとめると、協力すれば共に利益を得、対抗すれば共に損をするという一言に尽きる。現在、国際情勢と中米両国には大きな変化が生じたが、この教えは依然として絶対的真理であり、双方がこれを堅持、擁護し、惑わない心構えを持つことが必要だ。

 中米両国が協力する過程において、一部の競争が出現してくることは国際関係の正常な現象であり、肝心なのはこれをどう捉えて、扱うかということだ。競争の面をひたすら大きく取り上げれば、協力の可能性が圧縮されてしまう。協力の拡大に主眼を置くことこそ、中米両国の共通利益に合致する。

 米国が中国に歩み寄り、協力を深化させながら良性の競争を行い、それぞれの発展を促すとともに互恵・ウィンウィンを実現することを望む。

 ▽中ロ関係

 中ロ両国は政治では互いに信頼し合い、経済では協力し合い、国際業務では互いに支持し合い、大国関係の模範となっている。両国はその人民に大きな利益をもたらした他、地域や世界の平和と安定にも重要な貢献をしてきた。

 中ロ両国が肩を並べれば、世界により多くの平和・安全・安定がもたらされる。

 ▽多国間主義への擁護

 グローバル化の時代に身を置くわれわれは運命を共にしており、喜びと憂いを分かち合っている。必要なのは一人よがりで勝手な行動ではなく、助け合うチームワークだ。

 ▽中米関係の問題増大への懸念

 われわれは依然として、今後の中米関係に前向きな見通しを持っており、中米関係が対立に向かうことはなく、また向かわせてはならない。冷戦という古い考えを再び取るようなことは、時代の流れに逆行しており、人々の期待ともかけ離れている。

 一部の人間は中米両国を切り離すと主張しているが、これは明らかに非現実的だ。中国と切り離すことは、チャンスや未来と切り離すことになり、ある意味で世界と切り離すことになってしまう。

 ▽「一帯一路」共同建設

 「一帯一路」は一貫して共同協議・共同建設・共同享受という黄金の法則を堅持し、各国に多くの発展のチャンスをもたらしている。多くの事実が物語っているように、「一帯一路」は債務の「わな」ではなく、人々にメリットをもたらす「パイ」であり、地政学的な道具ではなく、共同発展のチャンスだ。

 ▽中国・アフリカ関係

 中国・アフリカ協力は数十年間積み重ねた努力によって、既にいかなる勢力でも揺るがすことができない、天にも届く大木のように成長している。中国・アフリカ協力がますます成功するにつれて、非難と中傷も招いている。だが、中国とアフリカの信頼は深く、友情は幾多の試練を乗り越え、協力の成果は既にアフリカ大陸の隅々まで行き渡っている。事実でない中傷はアフリカでは一切通用しない。

 ▽パ印関係の緊張情勢

 パキスタンとインドが危機を好機に変え、互いに歩み寄り、できるだけ早く新たな一ページをめくり、両国関係の根本的かつ長期的な改善を図り、対立の代わりに対話し、意見の食い違いを善意で解消し、協力で共に未来をつくり出すことを、中国は心から望んでいる。

 ▽アフガニスタン問題

 衝突を引き起こすより、平和を推進するほうがさらなる勇気が必要だ。アフガニスタンの各当事者が国や民族の大義を見据え、国内の政治的和解の重要なチャンスを掴み、話し合いで紛争を解決し、戦争を回避し、友好親善の道を開き、手を携えて平和への扉を開くよう呼びかける。

 数多くの苦難を経験してきたこの国が、不死鳥のように苦難から生まれ変わり、運命を自分の手に握り、真の独立と恒久平和を迎えることを心より願っている。アフガニスタンがこれ以上「大国の競技場」となって衝突と戦火を被り続けることがあってはならない。

 ▽中国・ラテンアメリカ関係

 どの国の国内問題も自国の人民が決定すべきで、外部の干渉と制裁は緊張を激化させ、「ジャングルの法則」を再び横行させることしかできない。この教訓は歴史上既に数多くあり、再び繰り返されるべきではない。あらゆる国の主権と独立は貴重なものであり、同じように大切に守られなければならない。

 ラテンアメリカ諸国が一つの中国の原則に基づいて中国と国交を樹立し、関係を発展させることは、歴史の発展の大勢と時代の潮流に順応し、自らの根本的かつ長期的な利益に合致する正しい選択であり、むやみに干渉や非難を受ける筋合いはない。

 ▽中国の外交方針はより強硬になるか?

 威圧的な態度で人と接することは中国の伝統ではなく、国が強ければ覇権を求めるということがわれわれの選択肢になることは到底ない。

 中国は強大になるが、より強硬にはならない。中国は独立自主をあがめ尊ぶが、独断専行にはならない。中国は当然、自分の権益を断固として守るが、覇権を求めるようにはならない。

 ▽中朝関係

 われわれは、朝鮮側が自国の国情にふさわしい発展の道を歩み、社会主義建設事業において絶えず新たな進展を得ること、新たな国家戦略を実施し、経済発展と民生改善に力を集中すること、朝鮮半島非核化の方向性を堅持し、非核化のプロセスにおいて自身の正当な懸念を解決することを全力で支持する。

 ▽中印関係

 27億の人口を有する二大文明国、二大発展途上国および隣国として、われわれは互いの夢を実現させる協力パートナーとなり、双方の経済を発展させる重要なチャンスとなるべきで、手を携えてアジアの振興と繁栄にしかるべき貢献をすべきだ。

 中印両国の友好と協力が長江とガンジス川のように滔々(とうとう)と進むよう、両国関係の発展に強力かつ持続的な原動力を注いでいきたい。

 ▽領事保護活動

 2019年、われわれは引き続き領事分野において国民の安全、利便性と利益のためになる新措置を打ち出す計画だ。12308アプリを改善、アップデートし、「手のひらサービスセンター」を開設し、在外公館でモバイル決済を逐次導入し、「指先の領事サービス」を充実させる。

 ▽「南中国海行動規範」協議

 「南中国海行動規範」は「南中国海における関係国の行動宣言」のバージョンアップとして、本地域の需要によりよく対応し、関係諸国の行動をより効果的に規範し、南中国海における航行の安全と自由をより強く維持する。

 南中国海の平和と安定を決める鍵は地域諸国自らの手に握られるべきであり、「南中国海行動規範」を地域諸国が共に作成し、守り、またその責任を共に担うべきだ。

 ▽中日関係

 中日関係の改善はまだまだ始まったばかりだ。これからすべきことは「知行合一(認識と実践を一致)」であり、真に歴史と誠実に向き合い、現実を客観的に捉え、未来を積極的に切り開いて、着実な行動で正しい方向に向けて揺るぎなく進むことだ。

 ▽国内発展の支援

 国内発展を支援する大事業にさらにしっかり取り組んでいく。より多くの地方の海外進出を支援し、地方の看板となる国際イベントの創出を支援する。企業の正当な権利を確実に守り、積極的に情報提供を行う。(c)Xinhua News/AFPBB News