【3月24日 CNS】回転したり跳躍したり、イルカが調教師の指図でさまざまな妙技を披露する。イルカの動きに観客は驚きの声を上げる。海の生き物の演技の習得には、調教師の努力が欠かせない。

 中国・安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)にある「合肥海洋世界」(Hefei Aquarium)の孫麗如(Sun Liru)さんは、90年代生まれの若い女性調教師。イルカやアザラシの調教に約4年携わってきた。孫さんは「子どもの頃からの動物好きが縁で、大学卒業後にこの仕事に就いた」と話す。孫さんの目には、イルカがかわいい子どものように見える。孫さんは毎日の訓練と演技以外の時間もずっと動物たちの「保母さん」だ。

 イルカの口が熱くなっていないか、アシカの排便の様子はどうか、アザラシの呼吸は正常か。孫さんは毎日朝早く出勤して動物たちの状態をチェックし、演技の準備をする。孫さんは「動物たちの飲食から寝起きまで全て調教師が自身で面倒を見るのです。そうすることで、お互いの感情が通じ合うようになります」と語る。

 動物の世話は、簡単なことではない。動物たちの食事・寝起きの面倒をみるだけではなく、動物の心理や行動に関する知識が必要だ。孫さんは「動物たちは時にわがままで、いたずらもするし、おとなしく演技をしないこともある。こういう時は子どもをあやすのと同じように、軽くキスしたりなでたりするんです。動物の思考は純粋でかわいい。一緒にいるのがとても好きなんです」と語った。ちょうどその時、1頭のかわいらしいイルカが大きな頭を水面から出して、孫さんになでてほしいと求めてきた。

 調教師として、毎日水の中で過ごすことが多く、体の弱い孫さんには厳しい。孫さんは率直に「苦労と思ったことはありません。この仕事が本当に好きだから。動物と交流していると、万物が平等なんだという気持ちになります。動物にすべてを注げば、動物はすべて報いてくれるんです」と話す。(c)CNS/JCM/AFPBB News