【3月8日 AFP】米ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は国防総省に対し、保護者の同伴なしで入国した移民の子ども最大5000人の収容場所を確保するよう指示した。同省が7日明らかにした。同政権は、対メキシコ国境で「危機」が増大していると訴えている。

 国防総省のジェイミー・デービス(Jamie Davis)報道官によると、この措置は厚生省からの要請によるもの。同報道官は、保護者のいない移民の子ども最大5000人を「必要に応じて2019年9月30日まで収容する場所」を国防総省の施設内に見つけるため支援するよう求められたとしている。

 要請は予防的な措置で、用意した場所が必ず使用されるわけではない。だが米国では現在、中米での貧困や暴力を逃れた人々を中心に、対メキシコ国境から不法入国する家族や保護者のいない子どもが増加。また、そうした入国者の大半が難民申請をしている。

 米税関・国境警備局(CBP)によれば、今年2月に家族の同伴なしで米国に不法入国し、逮捕された未成年者は6825人に上り、1月の5119人、昨年10月の4968人から増加した。

 CBPは拘束した子どもを厚生省児童家庭局(ACF)に引き渡し、同局は、米国への滞在申請が処理されている間、子どもを米国内にいる親族や他の家族に預けるための手配を行う。申請の処理には長ければ2年かかる。

 ACFは7日、現在約1万1500人の子どもが同局の拘束下にあると明らかにした。

 CBPのケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)局長は5日、2月の不法入国者数は近年で最高水準に達したと述べ、7万6000人が阻止または拘束されたと説明。政府施設に負荷がかかっているとした。

 同局長は「われわれは南西部の国境地帯において、人道および国家安全保障の危機に直面している」と述べた。(c)AFP